はじめに
今回は実験の結果と考察について書いていこうと思っています。流れはデータの説明→全データの考察です。前回↓↓
使用ツール
・Psychopy3
・Python3
データの説明
考察するためにグラフとして4つ用意した。〇-△となっているが、〇のBがボタン押し条件、Vが振動条件であり、△のAが音、Vが図、AVが両方である。
まず、左上のグラフについて説明する。横軸を実際の遅延、縦軸を実験参加者からの報告値とした。そして見やすさのためにy=xを用意した。つまりy=xより下ならば実際よりも早く知覚されている。例えば、実際は400msなのに300msだと知覚している。この実験参加者は振動条件の音と図両方提示はほぼ正確な値を報告しているが、全体としては早めに知覚しているということである。
次に、右上のグラフについて説明する。右上は実際の値-報告の値を縦軸にとっている。つまり負であるならば早めに知覚しているということである。左上のグラフをより実際の値と報告値の差を見やすくする目的がある。
次に、左下のグラフについて説明する。右上のグラフを各条件について平均をとったものを棒グラフにしたものである。つまりどの条件がどれだけ実際値と報告値に差があるかを見やすくすることが目的である。この実験参加者は特にボタン条件の時、差があることがわかる。
最後に、右下のグラフについて説明する。右下のグラフが今回の実験の主たる目的のIBの強さを表すグラフである。右上のグラフのV-XからB-X(X={A,V,AV})をひいたものである。Vは振動条件であるので意図無し、Bはボタン条件なので意図有りであるため、縦軸が正である時、意図が無い方が遅く知覚されているということであるためIBが生じているといえる。この実験参加者はV以外では概ね正となっているためIBが生じている。
以上がグラフの説明である。本質的な部分をみるためには左上と右下だけで良いのだが、右上や左下のグラフのように多面的にデータを観測することで外れ値や、より具体的に考察することができる。一つまた勉強になった。
全体データと考察
全体のデータが上の通り。思ったよりデータ綺麗になってうれしい(?)。まずは結果からわかることを挙げる。
・全体として早めに知覚されている。
・実際値と報告値の差は実際値が大きくなるにつれて大きくなっている。
・Bの方がVよりも差が大きい。
・音が最も差が大きく知覚されている。
・しかし、IBの大きさは第二条件による差はない。
・いずれの条件でもIBは生じている。
まず、いずれの場合もIBが生じていることについてさすがに仮説通りでよかった。これ間違ってたらIB…ってなっちゃう。次に、第二条件で差がないことについて、そもそもの仮説の前提条件である視覚よりも聴覚の方が反応時間は早いから注意力が云々が間違っていたことが考えられる。反応時間によるIBへの影響がないことがここから考えられる。
まとめと感想
実験を0から自分で企画、実践、解析までやったのは本当にいい経験だし今しかできないなって思った。担当教授曰く、B4の方達よりもよく取り組んでいるとの言葉をいただいたのでとても嬉しかった。この実験をやるまでPythonに触れたことすらなかったのでとても苦労した。一番苦労したのはArduinoとのシリアル通信。
実験の有用性を聞かれても直接的には考えられない。しかし、IB自体は多くのことに応用できると思った。意図の有無で体感時間が変わることをモデリングすることで何か役に立つことがあると思う。思い浮かばないけど!何かあったら教えてください。
これで実験の話は終わりです。もしここまで読んでくださった方いたらありがとうございました。一応時間に余裕できたら今回の実験のプログラムの説明もやりたいな。
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