どんなことを実験したのか
一口に心理学実験と言っても多くの種類があります。僕自身最初は睡眠についての何かをしたいと思っていたのですが、手間がとてもかかり、学部生ではとても実験までたどり着く事ができないそうなので方針を変え、2つの知覚(視覚や聴覚、触覚など)の関連性について学ぼうと考え、教授からインテンショナルバインディング(IB)について調べるのはどうかとの提案をいただきました。
インテンショナルバインディング(IB)とは
英語で書くとIntentional Bindingとなり、意図による束縛のような感じの意味です。勉強するにあたって読んだ文献を下に幾つか貼っておきます。
オリジナル実験において、まずオペランド条件とベースライン条件を以下のように定義します。
・オペランド条件…手元にあるボタンを押すまたはボタンを押してから250ms後に音がなるのでその音が鳴った時の時計の針の位置を報告
・ベースライン条件…手元にあるボタンを押すまたは突然音が鳴るので音が鳴った時の時計の針の位置を報告
この2条件に分かれて時計の針の位置をそれぞれ報告させたところ、行為(ボタン押し)のタイミングはオペランド条件の方がベースライン条件よりも遅く知覚され、音刺激のタイミングはオペランド条件の方がベースライン条件よりも早く知覚された。図示すると以下のようになる。青が時間軸で赤がベースライン条件、黄がオペランド条件である。
この図からオペランド条件の方がベースライン条件よりも短く知覚されていることがわかる。また、オペランド条件とベースライン条件の違いとして、オペランド条件は音が鳴るタイミングがある程度わかる⇒自分の行為と音に因果関係があるように感じられるため自分が音を鳴らしているかのように感じられることである。その反面ベースライン条件にはそういった意図はなく、突然音が鳴る。つまり両条件の違いは意図の有無である。
ざっくり説明すると「意図がある時とない時で体感時間が変わるで」ってことです。何言ってるかわからんと思います。僕もわかりません。うそですわかります。
さいごに
みなさんの身近でもこれは感じられていることです。多くの現象が考えられますが、例えば楽しいことってつまらないことより短く感じられませんか?この現象についてはIBだけではなく多くの原因が考えられますがIBから考えると楽しいことをしている時、その人は必ず意図のある行動つまり自発的行動を行っているはずです。行動ではないにしろ自発的に物事を考えたりしていると思います。逆につまらない時間はその人は自発的にほぼ何もしていないと思います。あれしろこれしろなど受動的になっていませんか?IBはそのような大きな時間のことではありませんが、数msの差が幾つも重なれば大きな体感時間の差になると思います。もし退屈な時間を短く済ませたいならば無理矢理にでも自発的行動をとってみようと僕は思いました。
あまり続けても冗長な記事となってしまうためここで一回切ります。ここまで読んでいただいた方いらっしゃったらありがとうございました。
次回は具体的にIBを使ってどんなことを実験するのかと実験方法まで書ければいいな。
次回↓↓
参考図書
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