はじめに
今回は実践GANという参考書の感想を書いていきます。
概要
2020年2月26日に初版が発行されたばかりの新しい本です。原著は海外のものであり、それを日本語訳した参考書となっています。情報は2020年1月時点のものであると書かれています。
内容についてはタイトルにもある通りGAN周りの題材のみ扱っています。Python,Kerasを用いてソースコードは書かれており、数学的な解説はほとんどありません。
GANについて基礎から応用まで扱われています。どのような内容かは目次を見てください。
次は対象者です。Pythonの経験が2年程度、機械学習についての知識があること、線形代数などの大学数学の基礎ができていることが挙げられていましたが、これについては後々感想にて書きます。
目次
Part 1 GANと生成モデル入門
- 1章 はじめてのGAN
- 2章 オートエンコーダを用いた生成モデル
- 3章 はじめてのGAN:手書き文字の生成
- 4章 深層畳み込みGAN: DCGAN
Part 2 GANの発展的な話題
Part 3 ここからどこへ進むべきか
- 10章 敵対的サンプル
- 11章 GANの実用的な応用
- 12章 将来に向けて
感想
まず、訳本であるため多少は仕方がないのですがとても読みにくい印象を受けました。英語のような言い回しがそのまま訳されて記述されていました。Google翻訳かな?って感じです。
対象読者について上で述べましたが、あそこまでの知識を必要としないと思います。ソースコードは記されているのですが、最低限動く程度のものであるためそもそも動かす必要がありません。また、数学的な解説はとても少なく、線形代数学の知識も要しません。しかしさすがに機械学習の知識(損失関数が何か、誤差逆伝播法とはどのようなものか)などがわからない場合は本書を読むのは苦しいと思います。よってPythonのコーディング力や数学の知識は必要ありません(そもそも機械学習の知識にはそれらが含まれているような気もしますが…)。
内容についてです。本書は250ページほどある厚い本ですが、扱うテーマが多いです。ゆえに1つ1つの内容は浅いものとなっています。そのため特定のテーマについて深く知るためには追加調査が必要です。
最新のものと謳われていますが、あまり2019年あたりのものはなかってのでそこは注意してください。
総括です。これからGANを勉強しよう!って方は買っても良いと思います。読み進めていく中で自分の興味ある題材は別途Qiitaとかの記事を読み深く理解する、といった読み方がおすすめです。色々なGANのモデルを知ることができるので理解のための教科書というよりもこんなものがあるということを知るキッカケとなる本であると捉えたほうがいいです。4000円する上に読みにくい、得られる対価を考えるとあまり勧められませんが…。